ビジネスフォンには、5大機能「発信、着信、内線、保留・転送、代表組」が標準的に備わっており、発信や着信は家庭電話機にも備わっていますが、内線、保留転送、代表組に関してはビジネスフォンに特化した機能となります。
ここでは「代表組」に注目してご説明いたします。
家庭電話機でも親機と子機をセットで購入することが多いので、着信があった際には親機と子機が同時に着信すると思います。
それがビジネスホンの場合、当然規模が大きくなり別々に電話対応することができるのです。
そこで今回は、「代表組」とはどんな機能なのか、また、その利用方法についてもご紹介したいと思います。
目次
- ビジネスフォンの代表組とはどんな機能なのか?
- 代表組には2つの方式がある
- まとめ
1、ビジネスフォンの代表組とはどんな機能なのか?
まず、「代表組」を簡単に表現すると、複数の回線をグループ化し、そのグループに一個の代表番号を設けて、その番号に着信があった際、空いている回線を利用し電話機に着信させることができるサービスのことになります。
つまり、代表番号に同時に複数の着信があった場合でも対応できるということです。
契約回線を1つのグループに組むことで、代表番号による発着信がすべての回線で可能となります。
代表親番号の回線が通話中の場合でも、子番号の空いている回線で着信して対応でき、全回線が通話中になることは殆どないので、電話の繋がりにくさを解消してくれます。
基本的に代表組は、2番号以上で作ることができ、その仕組みの以下の通りとなります。
例) ➀00-0000-1234(親番号)
➁00-0000-2345
➂00-0000-3456
という3つの契約回線があるとして、顧客に対して提示したい番号が➀1234だった場合、顧客にはその番号だけが提示されます。
また、➀1234に同時に複数の着信があった場合でも、グループ内の➁2345、➂3456で着信し対応することができます。
もちろん、➁2345や➂3456に直接電話をかけても繋がります。
家庭用電話機でも代表組を設定することはできますが、基本的に1回線なので着信した電話機で使用するだけになります。
このことから、代表組は複数の電話に対応できる状態で使用され、転送や内線といった機能も併用できるのです。
2、代表組には2つの方式がある
次に、予備知識として代表組には、
➀順次サーチ方式(シーケンシャル方式)
➁ラウンドロビン方式
と、2種類の方式があります。
では、どのような違いがあるのかご説明いたします。
➀順次サーチ方式とは
事前に着信する優先順位を決めて、常に優先順位の高い代表親番号から着信させる方式です。前項の例を参考に、
仮に ➀00-0000-1234(親番号)
➁00-0000-2345
➂00-0000-3456
と、優先順位を決めておくと、常に1つめの着信は➀1234に着信し、➀が通話中のときは②2345に着信し、➀➁ともに通話中なら➂3456に着信する。
というように、優先順位の高いものからスライドする感じです。
➁ラウンドロビン方式
順次サーチ方式では、常に代表親番号から順番に着信しますが、ラウンドロビン方式ではグループ内の全ての番号回線に対して均等に着信させる方式になります。
こちらも例として、
仮に ➀00-0000-1234(親番号)
➁00-0000-2345
➂00-0000-3456
と、優先順位を決めておきます。
1度目に着信があった場合は➀1234で着信しますが、2度目に着信があった場合は自動的に②2345で着信し、3回目は③3456が着信する。
というように、自動的にスライドするので均一して着信対応する方式になります。
現在皆さまのオフィスで使われているビジネスフォンには必ず代表組の設定がされており、どちらかの方式が採用されていると思います。オフィス内にいるとき、どのように着信しているのか見てみるのも一興ですね。
3、まとめ
家庭電話機でも親機と子機で代表組を設定することはできますが、基本的に1回線なので近い方の電話機で出られるかくらいの役割はあると思います。
オフィスでは、そういった状態では仕事になりませんので、代表組はビジネスホンの基本設定であり、必要不可欠な機能になります。
また、代表組にも2種類の方式があるとは知らなかった方も多いかと思いますが、どちらかの方式が採用されているので参考までに覚えておいていただければ幸いです。